一般社団法人 日本機械学会関西支部

関西学生会活動内容

2023.4更新

 関西学生会は、日本機械学会関西支部の学生員(約20大学、6高等専門学校、2023年2月末現在で会員数1135人)の有志が集まって自主的に運営されている。その活動内容は、卒業研究講演会の運営だけでなく、2回の講演会、見学会、そして子供たちを対象とした機械工学の体験型イベントなど多岐にわたり一年間広く活動してきており、全国に8つある支部の中でも最も精力的に活動している学生会といえる。2020,2021年の2年間はすべての行事をオンラインで実施したが、制限が緩和された2022年度下半期からはほぼ対面で活動している。 主な活動を以下に述べる。

  1. 学生会総会
     関西学生会の活動は、4月から始まる上半期と10月から始まる下半期に分かれており、4月と10月に総会を開催して、学生会の年間活動報告、予算報告等を行っている。4月の上半期総会においては、任期を翌年3月までとして、委員長校、副委員長校(2校)、書記校、会計校を選出している。役員校の交代時期を4月とすることで、学生会にとって最大の行事である3月の学生員卒業研究発表講演会(卒研講演会)までの準備期間を十分に確保し、その運営を円滑なものとしている。
  2. 幹事校会(運営委員会)
     年に7~8回程度、約50名の運営委員の出席のもと、幹事校会(運営委員会)を開催し、『メカライフの世界』展、卒業研究発表講演会、見学会等の企画立案・準備も含め、学生会活動全般について、熱心に議論し決定している。
  3. 講演会
     年2回、幹事校会(運営委員会)と同日に、支部の幹事、開催校の教員、シニア会の幹事等にお願いして、機械工学に限定することなく、幅広い分野のテーマについて講演していただいている。参加者の知識を拡げるのみならず、参加者が学生会の活動に触れることで、学生会の各種企画への参加の契機となることを期待して、この講演会は一般の学生員にも公開している。
  4. 見学会
     学生が産業界の実態に触れる機会を持ち、学生会活動の一層の活性化をはかるために、関西学生会の主催で京阪神地区の工場の見学会を開催している。この見学会も、一般の学生員に公開している。関係企業のご理解とご協力を仰ぎながら企画・実施することで、毎年意義深い見学会となっている。2022年度はパナソニックエコテクノロジーセンター(株)においてオンサイト見学会を実施した。多数の学生諸君の参加を得て、非常に有意義な見学会であった。
  5. 学生交流会
     学生交流会は、日本機械学会年次大会の際に開催されている。第1部は企業の若手技術者による導入プレゼンテーション、第2部は若手技術者を囲んだ立食形式の意見交換会で構成されており、学生員と若手技術者との積極的な交流がなされている。この交流会は一般学生にも公開している。2022年度は年次大会は対面開催であったが、交流会は中止となった。2023年度は対面で開催予定である。関西学生会も委員長を派遣し、運営に協力する。
  6. 『メカライフの世界』展
     小中学生をはじめ一般の人々に機械、機械工学に対する興味と理解を深めてもらうことを目的として、展示および体験型の教育普及活動を『メカライフの世界』展として、関西学生会主催で運営委員の主体的活動のもと毎年実施している。関西学生会が最も力を入れている活動の一つであり、上半期総会(4月)のから運営委員会で企画検討を重ねて、実施に向けた準備を行っている。会場は,バンドー神戸青少年科学館(神戸市立青少年科学館)をお借りし、同館には共催として準備、運営に多大なご協力を賜っている。
     2022年度の『メカライフの世界』展は3年ぶりに11月19,20日にバンドー神戸青少年科学館にて対面開催され、展示10件、工作6件があり、2日間で600名を超える来場者があった。2023年度も引き続きバンドー神戸青少年科学館のご協力のもと、11月3,4日に開催予定である。
  7. 学生員卒業研究発表講演会
     卒業研究発表講演会は、関西学生会の最も重要な行事の一つである。毎年3月の卒業時期に開催され、卒業研究をやり遂げた学生員がその研究成果を公表する貴重な機会となっており,同時に特別講演や学生懇親会も行われている。卒業研究発表講演会では、優秀な発表に対してBest Presentation Awards (BPA)を授与している。このBPAは1998年に制定され、学生員のプレゼンテーション能力の上達目標の一つとなっている。商議員、学生会会員校の教員、シニア会の会員には、各講演セッションでのコメンテータとして協力いただいているが、セッション座長は大学院生が務め、その他、講演会の運営、BPAの評価シートの作成、集計、受賞者の決定と発表などは、すべて学生会が担当している。
     2022年度の卒業研究発表講演会は2023年3月15日に京都工芸繊維大学で開催された。学生員による331件の講演発表が行われ、審査の結果、34名にBPAが贈呈された。2023年度は2024年3月14日に、大阪工業大学で開催予定である。
  8. 機関誌『春秋』
     関西学生会では、学生会の活動報告、『メカライフの世界』展などの行事内容や、関西学生会の会員校の紹介などを記事とした冊子を、機関誌『春秋』として毎年1回刊行している。学生が自主的に編集しており、ユニークで個性あふれる記事が、写真を交えて掲載されている。『春秋』は、関西学生会の会員校には無料配布され、卒業研究発表講演会でも参加者に配布されている。2022年度は通算54号となる。
  9. シニア会との交流会
     関西学生会では、シニア会が企画・運営する交流会に参画している。交流会ではテーマが設定され、シニア会会員による基調講演、シニア会と学生会双方からの提言、グループ討論などが行われており、学生がシニアの豊かな経験、知識を学ぶ貴重な機会となっている。2022年度の交流会は、「シニア会と学生会との討論会~持続可能な開発目標(SDGs)を支える機械工学~」をテーマとして、10月8日に京都大学桂キャンパスにて対面で開催した。学生会からは34名が参加し、非常に有意義な交流会であった。2023年度も10月に開催予定である。
    また、シニア会主催の「理科工作教室」にも、学生会から運営委員を派遣し、運営に協力している。

 その他、関西学生会は「学生のための企業技術発表会」など、支部主催の「MECHAVOCATION」事業にも積極的に参加している。
以上のように、関西学生会は将来の日本を支える機械技術者を目指す学生に、機械工学に関連する技術、知識とともに、多様な交流の場を提供し、その自主的かつ積極的な活動を通して日本機械学会への理解を拡げることで、会員数の一層の増加に貢献している。ただし、関西学生会の以上の活動は、支部独自の財政支援を含む、全面的なバックアップと、会員企業の絶大なご協力とご支援、商議員、学生会会員校教員、シニア会会員の皆様の多大なご理解とご協力、そして学生会顧問の先生方の熱心なご指導とご協力があって、初めて成立するものである。関係各位には、この場を借りて深謝の意を表す。
 そして、大学・高専に在学中で、日本機械学会に未加入の機械系学生諸君には、以上のような恩恵を受けることができる日本機械学会に入会し、学生会活動に積極的に参加することを、強く勧める。まずは、所属校の学生会顧問から案内される講演会、見学会に、気軽な気持ちで参加してみてはいかがだろうか。

(関西支部2023年度学生会幹事長 上辻 靖智)

関西学生会会員校(太字は幹事校)

大阪大学、大阪工業大学、大阪公立大学(大阪市立大学)、大阪公立大学(大阪府立大学)、大阪産業大学、関西大学、京都大学、近畿大学、神戸大学、同志社大学、兵庫県立大学、龍谷大学、大阪電気通信大学、京都工芸繊維大学、滋賀県立大学、摂南大学、立命館大学、和歌山大学、明石工業高等専門学校、大阪公立大学工業高等専門学校、神戸市立工業高等専門学校、奈良工業高等専門学校、舞鶴工業高等専門学校、和歌山工業高等専門学校