一般社団法人 日本機械学会関西支部

(社)日本機械学会関西支部

2010.8.26公開



ステップアップ・セミナー2010
わが国企業・技術者・学生のための戦略的技術経営V
~新興国へのグローバリゼーションにおける戦略的技術経営~
(申し込みコード番号:86-06)

協 賛 日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本化学会,日本伝熱学会,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良工業会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,日本技術士会近畿支部
日 時 2010年11月19日(金)  9:30~17:00
会 場 大阪科学技術センター8階中ホール

大阪市西区靭本町1-8-4/電話 06-6443-5324(代)
地下鉄四つ橋線「本町」駅下車,28号出口北へ400m靭公園北側
趣 旨  かつてのグローバル競争において欧米メーカーを追い込んだ日本の製造業は,TQM(Total Quality Management)に基づく日本式生産システムを確立しました.しかし,今,日本の「ものづくり」文化が,新たなグローバル化による市場の複雑化,イノベーションによる技術の複雑化の中で転換期を迎えています.雇用体系の全く異なる国,地域,企業への事業展開において,日本の製造業はTQMの原点への回帰を含めた根本問題を抱えているのです.
 一方,新興国市場においては,グローバル人材育成,プラットフォーム戦略,品質/コストバランスを重視した韓国企業がシェアを先取りしています.日本的「ものづくり」文化特有の,戦略不足や過剰機能・過剰品質のワナに捉われて伸び悩んでいる日本企業は,ここから学ぶことが多いと思います.
 そこで,新興国市場というグローバル展開を図る上で,日本の「ものづくり」文化を強みとしながらも,製造業のパラダイムシフトがどうあるべきか,機械工業としてどのような仕組みを作るべきなのか,日本企業がいかにすれば勝ち残れるのか,特に我が国の得意な擦り合わせ能力による優れた新技術・新製品開発力を武器とした戦略など,その解決策を豊富な事例を交えて紹介します.
 本セミナーは,技術マネージャー,中堅・若手技術者・学生をはじめ,学生を指導する立場の大学の先生方にも有益な内容となっています.多数の方々のご参加を期待します.
キーワード グローバリゼーション,新興国,韓国企業,技術経営,ものづくり,TQM,原子力発電,建設機械
題目・内容・講師
時間 題目 内容 講師
9:30~9:35 開会挨拶 日本機械学会関西支部
支部長 塩路 昌宏
(京都大学)
9:40~11:10 基調講演
「新興国へのグローバリゼーションにおける戦略的技術経営」

日本企業はすりあわせによる高品質製品の創出という垂直統合を進め,優位性を発揮してきた.21世紀に入り,情報,物流など,グローバル化の進展により,あらゆる産業で水平分業化が進んでいる.世界的に高品質の部品・部材を提供する企業の生産力が高まり,部材を入手することにより,システム化を容易に進めることができるようになってきた.そのために,生産能力,製品の完成度という両面で日本企業のすり合わせの優位性が失われている.このようなグローバル競争のパラダイム変化に対し,日本企業はどのように価値創造を進めるべきかを考えていく.

神戸大学 経済経営研究所
教授
  伊藤 宗彦 氏

11:15~12:15 特別講演1
「韓国企業のグローバル戦略―サムスンの事例から―」

いち早くグローバル展開を進めた韓国企業の成功は,グローバル人材戦略,スピーディな意思決定,大胆な投資戦略などの結果である.サムスンなど成功した韓国企業は,1997年の通貨危機の後に新興国などへのグローバル展開を進め,経済危機を乗り越えてきた.本講演では,韓国企業のグローバル競争力の背景を探る.日本企業の躍進のためには,変化の激しいグローバル環境に適応するべく,日本の土壌に合った技術経営戦略をとる必要があることを提言する.

甲南大学 経済学部経済学科
教授
  高 龍秀 氏

13:15~14:15 事例講演1
「三菱重工業における原子力発電プラントのグローバル展開」

新興国市場への展開は,単に物(プラント)を売るだけでなく,規制等インフラ整備,資金サポート,安全・安心に対する信頼性が重要である.特に原子力発電は長期にわたって安全に使用されることが使命であり,グローバリゼーションを足元から固める意味でも,国内の実績がものを言う.三菱重工業では国内向けプラント受注に始まり,関連機器輸出,プラントの先進国輸出,新興国への輸出と、着実にグローバル展開の道を歩んでいる.

三菱重工業株式会社 原子力事業本部 原子力技術センター
センター長
  駒野 康男 氏

14:20~15:20

事例講演2
「コマツにおけるものづくりとグローバル展開」

コマツでは,小型から超大型までの建機フルラインメーカとして、環境(省エネ),安全,ITをキーワードに,特長を持った『ダントツ』機種の開発に力を入れている.GPS(全地球測位システム)などITを駆使した車両遠隔管理システム,排ガスのクリーン化、ハイブリッド化などの技術を用いてグローバルな顧客サービスを提供している.本講演では,グローバル展開におけるもの造りの面で重要な役割を果たす生産技術に焦点を当て,CAEを活用したものづくり強化の活動を紹介する.

コマツ 生産本部 生産技術開発センタ コンポーネントグループ
主幹技師
  寺坂 裕二 氏

15:30~16:30 特別講演2
「作業からものづくりへ-お客様とのコラボレーションを目指して-」

激しく変動する社会環境の中でロバスト性の高い生産活動を行うには,成員の基本技術能力,成員間の信頼関係,環境変化に即応する組織・仕組み,目標・課題の共有化等が大切である.常識化している “分業システム”も労働者のモチベーション、顧客のニーズの多様化、CIMの普及に伴ってその形態を見直す必要があり,高い生産性を維持しつつ,顧客と生産者のコラボレーションによる生産活動ができる仕組みとしたい.新興国市場への展開が進む中,我が国の人的・社会的特徴を生かしたもの作りのあり方について,講演者の実験例をもとに考えてみる.

九州工業大学 大学院 情報工学研究科
客員教授
  高瀬 公宥 氏

16:35~16:50 全体質疑応答

【司会】
日本機械学会関西支部第5専門部会
部会長  小澤 守
(関西大学)

16:55~17:00 閉会挨拶

日本機械学会関西支部
副支部長  古藤 悟
(三菱電機(株))

 
定 員 100名
申込締切 2010年11月5日(金)(定員に余裕があれば,2日前まで申込みを受け付けます.)
聴講料

会員 10,000円 (学生 2,000円)
会員外 20,000円 (学生 4,000円)

申込方法
郵送,FAXまたはE-mailの場合は「関西支部ステップアップ・セミナー申込み」と題記し,(1)氏名・会員資格,(2)所属:勤務先・部課名,(3)通信先:住所・電話,(4)所属学協会名,(5)送金方法・送金額(内訳)・送金予定日および請求書の要・不要を明記の上,関西支部宛お申込みください.聴講料は後日送付する請求書に記載の銀行口座または郵便振替口座宛ご送金ください.現金書留または当日支払いも受け付けます.
その他

(1)申込み受付後,聴講券をお送りしますので必ずご持参ください.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱いいたします.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.
(4)CPDポイント登録致しますので機械学会会員(個人)の方は必ず会員証カードをご持参下さい

※本行事の申し込みに際しお届けいただいた個人情報は,聴講券の送付,当支部からの連絡にのみ使用させていただきます.

申込先  (社)日本機械学会関西支部
    〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4 大阪科学技術センタービル内
    TEL:06-6443-2073 FAX:06-6443-6049 E-mail:jsme@soleil.ocn.ne.jp