一般社団法人 日本機械学会関西支部

(社)日本機械学会関西支部

第85期定時総会見学会参加記録



開催日時: 2010年3月18日(木) 13:15~16:30
見学先: (株)椿本チエイン 京田辺工場
参加者: 42名
     (正員34名、学生員4名、一般1名、一般学生1名、幹事1名、事務局1名)



株式会社椿本チエインは1917年創業の機械用チェーンメーカーであり、一般産業機械用のドライブチェーンやタイミングベルト、減速・変速機を始め、各種搬送システムなど「ものを動かす」技術を追及している企業です。今回は、2001年に竣工し、翌年より本格稼動を開始した同社京田辺工場に伺いました。京田辺工場は関西文化学術研究都市の丘陵地に立地し、緑に囲まれた敷地には果樹園や散策の森もあります。集合場所のテクニカルセンターの玄関を入るとチェーンの部品で描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチの像に出迎えられます。ダ・ヴィンチはヘリコプターや飛行機など数多くのスケッチを残していますが、その中に、現在のものとほぼ同じ構成のチェーンが描かれています。

当日は、最初に三尾工場長より椿本チエインおよび京田辺工場の概要を説明いただき、続いて高橋センター長代行より主力製品であるローラーチェーンと新商品であるジップチェーンをご紹介いただきました。ジップチェーンとは、プレートをフック形状とし、2組のチェーンのプレートが噛み合わさることにより、1本の強固な柱状となって「押し・引き」を可能にしたもので、非常に面白い構造をしています。引き続き行われた講演では、園田様よりチェーン開発における様々なCAEの取組みについてご説明いただきました。

講演後、3班に分かれて同工場のチェーン生産ラインを見学しました。講演でご紹介いただいたジップチェーンのデモに始まり、リンクプレートの打ち抜きプレスや1ピッチ数十kgの大型チェーンの手組みライン、樹脂チェーンの熱乾燥工程までチェーン製造の様々な工程を見せていただきました。参加者から熱心な質問が相次ぎ、見学予定時間をオーバーしてしまったため、当初予定していたダ・ヴィンチ像前での記念撮影はできずじまいでしたが、ものづくりの現場を間近で見ることができ、充実した見学会となりました。

最後になりましたが、貴重なご講演をいただいた三尾工場長、高橋センター長代行、園田様、見学会受け入れと当日の進行を担当いただいた大谷様、中川様、工場見学のご説明をいただいた廣瀬様、泉本様、山辺様、福田様、小林様ほか、お世話になりました椿本チエインの皆様に心より感謝申し上げます。


 記 日本機械学会関西支部 企画幹事
    堀 和貴(ダイキン工業(株))




(当日の模様)