(社)日本機械学会関西支部 | 2008.9.24更新 |
第297回講習会
「熱エネルギーシステムのフロンティア技術を学ぶ」 ─ヒートポンプ・蓄熱システムの動向と最新技術─ (申し込みコード番号:84-06)
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協 賛 | 日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本化学会,日本伝熱学会,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良工業会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,ヒートポンプ・蓄熱センター,エネルギー・資源学会,空気調和・衛生工学会近畿支部,日本建築学会近畿支部,電気学会関西支部,電気設備学会関西支部 | |||||||
日 時 |
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会 場 | 大阪科学技術センター 8階 中ホール [大阪市西区靱本町1-8-4/(06)6443-5324/地下鉄四つ橋線「本町」駅下車,28号出口北へ400m.靭(うつぼ)公園の北側] |
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趣 旨 | エネルギーの中核である熱エネルギーに関し,機械工学は変換・貯蔵・輸送及び利用のあらゆる技術の中心になっており,常にその革新が図られています。機械工学に携わる者は,その最前線と,背景となる基礎的事項について理解を深めておく必要があります。 そこで,日本機械学会関西支部では,「熱エネルギーシステムのフロンティア技術を学ぶ」と銘打って,基礎的なスクーリング的要素と,今後の展望に関する基調講演的要素,それに関連各社の開発状況の情報交換的要素を兼ね備えた新方式の講習会を行うこととしました。 今回はCO2などを冷媒とするヒートポンプシステム・蓄熱システム(通称エコキュート)を取り上げます。このシステムには現在,多数のエネルギー関連企業や大学・研究機関が取組んでいますが,実際に従事されている方はもちろん,これから取組もうとされている方,また,機械技術者としてこれらに関する知識を身に着けようと考えておられる方,等々,様々な方にとって有意義な内容でありますので,多数の参加を希望いたします。 |
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キーワード | CO2冷媒,エクセルギー,エコキュート | |||||||
内容 | ||||||||
第1部(1日目:9月25日(木)):基礎講座 | ||||||||
◇ オープニング・オリエンテーション 10:30~10:40 |
日本機械学会関西支部企画幹事 吉田公則(川崎重工) |
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◆ 基礎講座-1 熱エネルギーシステムの基礎 10:40~12:10 |
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1 | 再訪:エントロピーと自由エネルギー | 吉田英生(京都大学) | ||||||
熱力学の教科書で必ず学習するものの,よくわからないエントロピーと自由エネルギーについて,その物理的意味をとことん理解していただくようにチャレンジしたいと願っている。 | ||||||||
2 | 熱エネルギーシステムにおけるエクセルギー概念の基礎 | 久角喜徳(大阪ガス) | ||||||
エントロピーとは「熱量」を「有効仕事」に変換する際の損失評価のためのエンタルピーと同じ「状態量」であり,これを理解できれば,熱エネルギーシステムの新展開が開ける。燃焼,伝熱,減圧,回転機,混合など第2損失をプロセスシミュレータの威力で解き明かす。 | ||||||||
◆ 基礎講座-2 冷凍空調システムの基礎 13:10~15:40 |
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3 | ヒートポンプ給湯機用冷媒CO2の伝熱特性 | 小山 繁(九州大学) | ||||||
ヒートポンプ給湯機の冷媒として使用されているCO2の超臨界圧域冷却伝熱特性,亜臨界域における沸騰蒸発および凝縮伝熱特性,並びにそれらの促進技術に関して解説する。 | ||||||||
4 | 給湯用理想ヒートポンプサイクル及びその成績係数(COP)の導出と各冷媒の上限COPの評価 | 斎川路之(電力中央研究所) | ||||||
ヒートポンプのCOPの上限を決めるサイクルとして高温熱源と低温熱源を一定温度とする逆カルノーサイクルがある。しかし,給湯用サイクルでは高温熱源は水の高温度差加熱が必要となるため,効率の上限を決めるサイクルとして単純な逆カルノーサイクルはあてはまらない。そこで,給湯用の理想サイクルを定義し,そのCOPを明らかにするとともに,各種冷媒について上限となるCOPを求めて理想サイクルと比較し,給湯用に高いCOPが得られるのはCO2冷媒であることを示す。 | ||||||||
5 | ユーザの立場を重視した冷凍空調機器の性能評価法 | 飛原英治(東京大学) | ||||||
ヒートポンプの性能評価法を規定する規格が製品の開発動向に大きな影響を及ぼしている。ヒートポンプの性能評価法は消費者にとっても,生産者にとっても重要なものであり,その規格はヒートポンプ類に求められるさまざまな要請に応えられるものである必要がある。ヒートポンプの性能評価法の動向を紹介するとともに,あるべき姿について考えてみたい。 | ||||||||
◆ 基礎講座-3 ヒートポンプの普及・技術展開と評価 15:50~17:30 |
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6 | ヒートポンプ給湯機の技術ロードマップと周辺動向 | 佐々木正信(東京電力) | ||||||
ヒートポンプ給湯機に関するJSME技術ロードマップについて解説し,クールアース革新技術計画等,関連する周辺動向を紹介する。 | ||||||||
7 | CO2ヒートポンプ給湯システムの性能評価 | 横山良平(大阪府立大学) | ||||||
CO2ヒートポンプと貯湯槽から成る給湯システムの性能評価における要点を整理するとともに,数値シミュレーションによって家庭の給湯需要量の日・時間変化を考慮してシステムの性能評価を行った例を紹介する。 | ||||||||
第2部(2日目:9月26日(金)):製品開発の動向と最前線 | ||||||||
◆ 製品開発の動向 9:30~10:20 |
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1 | エコキュートの開発動向と将来の方向性について | 増田 正(関西電力) | ||||||
エコキュートの開発から多機能型・一体型の開発経緯を通して,開発のポイントと技術動向を紹介し,将来の方向性について考察する。 | ||||||||
◆ 製品開発の最前線(企業発表) 10:30~15:40(途中昼食) 現在,ヒートポンプシステム・蓄熱システムの製品開発を進めているメーカー各社から,開発の概要と技術の神髄について紹介いただきます。 発表予定は以下のとおりです。(順序・内容は変更の可能性があります) |
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1 | ダイキン工業(株) 熊倉英二 古井秀治 |
☆CO2二相流膨張機・圧縮機の開発:高効率化の新シーズであるCO2二相流膨張機・圧縮機の形式検討から現在の形式にいたるまでの開発内容を紹介する。 ☆CO2給湯器向け水熱交換器の開発:低レイノルズ数領域で用いられる給湯システムの水熱交の高性能化に向けた伝熱促進手法の開発内容を紹介する。 |
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2 | 三菱電機(株) 横山哲英 |
☆CO2冷媒ロータリ圧縮機高性能化への取組:従来冷媒より厳しい運転条件となるCO2冷媒ロータリ圧縮機において,高効率化と高信頼化を高圧シェル形式で実現し,家庭用ヒートポンプ機器に応用した。その開発概要をトピックスで紹介する。 | ||||||
3 | (株)デンソー 山本 憲 |
☆CO2ヒートポンプ給湯機用熱交換器の開発;01年に世界初のCO2冷媒を使った給湯機用熱交換器として開発した冷媒側にキャピラリ,水側にオフセットフィンを用いた製品,及び03年に,より作りやすい形状として開発した水側インナーフィンのシャープターン,冷媒側長円成形チューブ巻付け構造の水冷媒熱交換器を紹介する。 | ||||||
4 | 松下電器産業(株) 渡辺伸二 天良智尚 |
☆コンパクトCO2ヒートポンプ給湯機技術: 冷凍サイクルの高効率化と,真空断熱材及び新沸上制御などによるヒートポンプ給湯機の小型化技術について紹介する。 ☆真空断熱材の高性能化と適用事例:真空断熱材U-Vacuaの高性能化技術と,家電製品に対する適用事例及び今後の動向について紹介する。 |
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5 | 三洋電機(株) 小林雅博 |
☆寒冷地向けエコキュートの課題と開発状況:寒冷地では低外気での能力及びCOPをどう確保するか,また,確実な凍結防止技術及びコンプレッサなど要素部品の信頼性が重要である。これらの開発状況について,商品開発と関連付けながら近況を報告する。 | ||||||
6 | (株)前川製作所 米田弘和 |
☆業務用・産業用エコキュートの紹介:国内最大級の給湯能力を有する業務用・産業用エコキュートの特徴,仕様,適用検討例を紹介する。熱源としては一般的な空気熱源方式のほか,冷熱・温熱を同時利用する事で高効率運転が可能となる水熱源方式についても説明する。 | ||||||
7 | 東芝キャリア(株) 田邉智明 |
☆業務用大容量ヒートポンプ給湯システムの紹介:R410A冷媒を用い,60℃換算にて1日に約40㌧までの給湯が可能で,業界初の再加熱ヒートポンプユニットで給湯循環回路やタンクを高効率で保温できる平成19年度省エネ大賞のシステムを紹介する。 | ||||||
◆ 質疑応答とまとめ 16:00~17:00 |
講演・企業発表の終了時に質問票を回収します。 | |||||||
◆ 交流会 17:00~18:00 |
講師・企業発表者を囲んで,自由な雰囲気で情報交換を行います。(簡単な飲み物・食事サービス付き) | |||||||
定 員 | 100名 | |||||||
聴講申込締切 | 2008年9月19日(金)(定員に余裕があれば、2日前まで申込を受け付けます) | |||||||
聴講料 |
〔2日間の参加の場合〕 |
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教材のみ | 教材のみご希望の方は,1冊につき会員4,000円,会員外5,000円を添えてお申し込み下さい(送料は不要). 講習会終了後発送致します. |
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申込方法 | 受付を終了しました. |
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その他 |
(1)申込受付後,聴講券をお送りしますので両日とも必ずご持参下さい. |