一般社団法人 日本機械学会関西支部

支部長あいさつ

2022.3.30公開

第98期支部長
渋谷 陽二(大阪大学)

 この度、第98期の支部長を拝命し、微力ですが関西支部の発展のために尽力させていただく所存でございます。皆様方からのご意見を拝聴し、商議員、幹事の方々とともに支部の運営を円滑に進めてまいりたいと思っております。何卒よろしくお願い申し上げます。
 2019年の12月から始まりましたコロナ禍ですが、これまでの社会生活や活動様式に大きな変革をもたらすことになりました。第6波はピークアウトしたと言われていますが、医療従事者への多大な負担は今なお継続されています。一方、この2年間で大きく停滞した経済活動を復活させることも急務であり、これら両者のバランスを取ることが大きく求められている昨今です。水際対策のために、我が国の観光収入の大きな柱になっていたインバウンド、日本の技術を習得し産業を下支えしていた技能実習生、そして日本の学術発展に貢献していた留学生をほぼ受け入れない状態が2年以上継続され、そのことが今後の日本の産業や学術分野で大きな影響を与えることは想像に難くありません。学会活動もオンライン形式が主流となり、これまでの対面形式を基本にした活動様式を極めて短時間で変更せざるを得ない状況となりました。この間、支部活動に携われた方々のご苦労はいかばかりかとお察し申し上げます。これらの多大なご尽力にまずは感謝申し上げます。また、外的要因により変更せざるを得なかった事情があったとしても、十分な会員サービスを提供できなかったことに対して会員の皆様にお詫びとともにご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 第98期の活動は、この2年間で培われてきました新たな方法論と、長い歴史の中で洗練されてきた対面形式の方法論の融合を考えなければならないと思っています。単なる組合せとしてのハイブリットではなく、次世代の学会活動・支部活動として最適な手法は何かをまずは検討したいと思います。そのことが、この2年間で大変ご苦労された方々への報いになるかと思っています。従来から実施されてきました講習会、セミナー、講演会等それらの趣旨を再確認し、アンケート結果を精査することで会員へのサービス向上につながる実施方法をそれぞれについて検討したいと思います。
 関西支部は2024年に100周年を迎えます。大正14年(1925年)6月28日に発足し、これまでの100年の間非常に数多くの産業界、学界の皆様、そして関西地区の学生の皆さんの献身的な努力の積み上げにより、現在の関西支部が成り立っていることは言うまでもありません.100周年の記念行事を行い,その節目をお祝いするとともに,これからの100年を見据えた学会活動,支部活動に想いを馳せる機会にもしたいと思います。気候変動の問題、エネルギー問題、食料問題等に加えて,昨今の世界の安全保障の問題等、我々の取り巻く自然環境・社会環境はより混沌とした状況に陥りつつあります。そのような厳しい環境の中で、持続可能性のある学会活動がより強く求められています。関西支部100周年記念のキーワードとして持続可能な開発目標(SDGs)を取り上げ、それにまつわる企画を記念事業として検討し始めていただいています。懇話会を中心に活発な意見交換を通じて、次の100年を見据えた学会活動・支部活動を考える機会にしたいと思います。
 関西支部が今後益々発展するために、引き続き皆様方からのご指導、ご鞭撻をいただきますようよろしくお願い申し上げます。