日本機械学会関西支部 |
2019.4.15公開 |
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第95期支部長 伊藤 宏幸(ダイキン工業株式会社) |
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平成から令和へ新たな時代を迎える中,皆様のご推挙により,伝統と進取の運営を誇る日本機械学会関西支部の第95期支部長を仰せつかりました.もとより浅学菲才を自認するところであり,重責に身の引き締まる思いです.支部会員の皆様のご意見を拝聴しつつ,様々なステークホルダーの動向を把握し,商議員,幹事の皆様とフラットな関係性を堅持しながら,ジュニア会友からシニア会まで幅広い層を対象としたスピード感のある運営に努めてまいる所存です. さて,田中正夫第94期支部長のご尽力により,積年の課題であった幹事会構成人数の変動化が実現し,新設された特命幹事会とともに,支部の重要課題に迅速に対応する制度が整備されました.これを受けて第95期本格稼働のタイミングで臨時総会を開催し,新組織形態による幹事会を再構成しました.加えて,前期は,同時に幹事会・役員の選挙方法を改正しました.総会や商議員会など開催頻度の少ない会議体では,運営に関するチェック機能の行使とともに「関西地域における機械分野の学術および技術の進歩を図り,かつ工業の発展に尽くす」という関西支部の目的に沿った,より本質的な議論が盛んになることが期待されます.今期も,引き続き,活性度の高い一般社団法人のあり方を実現するべく諸規則の見直しを進めてまいります. 本年度開催されるG20大阪サミット2019を皮切りに,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を経て,関西支部にとって新100年紀の初年度となる2025年には,日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催されます.この間,2021年度には,現在のスーパー・コンピュータ「京」の実質約100倍の計算能力を有する後継機(通称ポスト「京」(令和元年5月23日,名称「富岳(ふがく)」に決定))が同じく神戸にて共用開始となります.私事で恐縮ですが,およそ半世紀前,1964年の東京オリンピックから1970年の大阪万博までの時代のほとんどを小学生として過ごし,世の中がエンジニアリングの力で目まぐるしく変化していく体験をした一人として,SDGsに象徴されるように当時とは比較にならない複雑な周辺環境ではありますが,これからの人材育成を含め関西支部がその存在感をより広く社会に示す良い機会でもあると考えております.そこで,本年を関西支部100周年に向けた準備期間の初年度とし,短・中・長期を見据えた施策を実施,企画を進めてまいります.諸先輩のご努力によって産み出され進化してきました各種の支部事業の更なる発展を企図し,まずは短期的な取組みとして,「共創プロジェクト資金」制度を試行します.これは,関西支部の専門部会,懇話会,関西学生会,関西支部シニア会が,従来の枠を超えて活動される際の助成を目的とした制度です.また,長期的な取組みとしては,メカボケーション特命幹事会を発足させ,これまでのレビューをしつつ課題を抽出し,関西支部内の協賛企業の増強や,近未来の事業のあり方の検討を開始します. 100周年関連事業につきましては,来期より特命幹事会を設置すべく役員・幹事会で議論を進めてまいります. 前期は,関西学生会卒業研究発表講演会,関西支部定時総会講演会の事前登録・参加登録料支払いを原則Web経由とし,論文集をDVD化しました.初年度のため想定外の不備もあり,一部の方々にはご迷惑をお掛けしましたが,とりわけ後者によるコストダウン効果は著しく,運営をサポートしてくれる学生の待遇改善などに充当されました.本格化する5Gの商用・普及を踏まえて,ITの活用による関西支部内のユニバーサル・サービスの実現やAIやデータ科学を駆使した会員サービスの向上に努めてまいります. 以上,やや細かく関西支部の現状と課題,施策について述べましたが,ご意見・ご感想・ご提案をお待ち申し上げております.今後とも,会員の皆様のなお一層のご支援とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます. |