日本機械学会関西支部 |
2016.3.24公開 |
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第92期支部長 北村 隆行(京都大学) |
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産業構造や社会構造の変化を受けて、日本における老舗学会の多くが冬の時代を迎えて久しくなっています。日本機械学会も例外ではなく、学会全体では会員減や収支の悪化が危惧されています。一方、関西支部は活発で質の高い活動を続けてきており、学会各界から羨まれる存在です。これは、長年の支部会員および企業・教育機関などの皆様の創意工夫と不断の努力の賜物ですが、もう一歩踏み込んでその理由を考えてみますと、先輩諸氏の“mobility”が背景にあることに気づきます。アメリカンフットボールのプロ達の言葉の中に“3歩のモビリティ”というものがあるそうです。プロ選手はいずれも全米を代表するスポーツ万能なのですが、切迫した状況になると足が動かなくなってしまうそうです。そのときに3歩動けるかどうか(mobility)が、一流と二流を分けるとのことです。さて、忙しい日々の中で、学会活動で良いことを考えついても、なかなか実行に移すことができないのが現実です。関西支部の諸先輩には“3歩のmobility”を持った一流がおられたことが、今の活発さに繋がっていることを実感している次第です。 また、そのmobilityを支えるものは、好奇心です。好奇心は、元来、技術や学術(工学)の推進力であり、活力源そのものです。関西支部が他から羨まれるメカボケーション事業、シニア会、講習会、講演会、見学会、交流フォーラムなどの支部活動の創意工夫は、技術者や開発研究者の技術・工学に関する好奇心を刺激する内容であることが、優れた活動と評価された根幹でしょう。昨年は、特別フォーラム(知財・標準化の国際戦略について)やステップアップセミナー(オープン・イノベーションが切り拓く新たな事業創造)を技術者の関心が高いテーマで開催し、関西のみならず全国から企業の方々の参加を得ました。関西の伝統である溢れる知的好奇心(文化)とmobility(意欲)が、日本の元気にもっとも必要なものであることを示しています。 これらの事業を今期も推進し、さらなる支部活動の活性化に努めてまいります。また、その活動を将来にわたって持続するために健全な支部運営を目指します。会員の皆様におかれましても関西支部活動への積極的な参画とご支援・ご協力をお願い申し上げます。 |