2026.4.1公開
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第102期支部長 和田 成生(大阪大学) |
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このたび皆様のご推挙により,川﨑卓巳前支部長の後を受け,第102期関西支部長を拝命いたしました.100年以上の歴史と伝統を有する支部の運営に携わることとなり,その責任の重さを改めて認識するとともに,支部のさらなる発展に向けて尽力して参る所存です.
関西支部はこれまで,産学官の緊密な連携と活発な交流を基盤として,機械工学分野の発展に寄与してきました.関西地域は,製造業を中心とする厚い産業基盤と,大学や高専など多様な教育研究機関が集う豊かな知的基盤を有しており,本支部はこれらを結びつける重要な役割を果たしてきました.また,本支部は機械工学分野の振興を図るとともに,学術・技術交流を通じて知の深化と共有を促進し,講演会や講習会等を通じた教育・啓発活動により,機械工学の意義や魅力を広く社会に発信してきました.さらに,次世代を担う人材の育成を重要な使命と位置づけ,学生や若手研究者・技術者の成長を支援するとともに,産業界や社会の課題に目を向け,それらに応えることで社会貢献にも努めてきました.
これらの活動は,まさに学会に求められる本質的な役割であり,本支部が長年にわたり大切にしてきた「不易」の取り組みであります.一方で,社会や産業構造は大きく変化しており,AI・DXの進展やカーボンニュートラルへの対応など,新たな課題への柔軟な対応も求められています.こうした時代の変化に応じて,新しい発想や取り組みを積極的に取り入れていく「流行」の視点もまた不可欠です.
さらに,少子化の進行や理工系離れの傾向は深刻さを増しており,機械工学分野における人材確保は喫緊の課題となっています.将来にわたり我が国の産業基盤を支えていくためには,若い世代に対して機械工学の魅力と社会的意義を丁寧に伝え,学びと成長の機会を提供していくことが不可欠です.本支部としても,教育機関や産業界との連携を一層強化し,人材育成の取り組みを推進していきたいと思います.
また,世界に目を向ければ,国際情勢の不安定化や紛争の長期化など,人類社会は多くの課題に直面しています.機械工学は本来,人々の安全で豊かな生活を支え,人類の福祉に資するための学問・技術であります.こうした原点に立ち返り,持続可能で平和な社会の実現に貢献していくことも,学会に課せられた重要な使命であると考えております.
今後は「不易流行」の精神のもと,これまで培ってきた伝統と実績を大切にしつつ,機械工学分野の振興を中核に据え,学術・技術交流のさらなる活性化,教育・啓発活動の充実,人材育成の推進,そして社会貢献の強化に取り組んで参ります.変化の激しい時代にあっても,学会としての本質的な使命を見失うことなく,会員の皆様のご支援とご協力を賜りながら,関西支部を運営していきたいと思いますので,何卒よろしくお願い申し上げます.